現在総合病院の勤務医として診療にあたっていますが、最近感じることとして
新型コロナウイルス感染以外の病気を発症して、症状が進行してから受診される患者さんが増えた気がします。
新型コロナウイルス感染を危惧してかかりつけの診療所や病院受診を控えていたり我慢していたことが影響しているようです。
小児では日本だけでなく世界的にも麻疹や風疹、BCGなどの定期ワクチン接種率が低下しているようです。
これは非常に憂慮することで、新型コロナウイルス感染症以外の感染症の流行を招きかねません。
基本的な感染対策(マスクや手洗いの徹底、人と人との一定の間隔維持など)を講じれば過度に恐れる必要はなく、むしろ過剰な受診控えは新型コロナウイルス感染症以外の病気の予防に悪影響が出たり、その他の病気の進行を招くおそれがあります。
医療には2つの大きな目的があります。
1つはすでに発症してしまった病気の治療。
もう1つは病気にならないようにする予防医療、もしくは病気になっても軽傷で治すための早期発見、早期治療です。
身近に受診できるかかりつけの診療所(歯医者さん含む)があるからこそ病気の早期発見や予防医療の恩恵を受けることができます。
何かお困りの症状があるときはどんな些細なことでもよいので我慢することなく皆さまのかかりつけのクリニックや診療所にご相談してみてくださいね。
いながき耳鼻咽喉科
院長 稲垣憲彦